さて、公式練習編に引き続き、いよいよレース編!

弱まったと思われた雨脚だったが、グリッドに並ぶと大雨レベルに。しかしスタート進行は続き、緊張は解けない。なかなかGT-2のエンジンが掛からず、こちらもエンジンを切って燃料消費を抑えるなど、スタート前からチーム間の駆け引きが始まる。結局10分以上のディレイとなったが、なんとか全車エンジンが掛かり、フォーメイションラップが始まる。

マツケラ選手

グリッド4番手からマツケラさんが飛び出し、すぐにトップに躍り出た。今回マツケラさんにスタート・ドライバーをお願いしたのは、やはりペースが速く、セーフティカー(以下SC)が入らない場合でもロング・スティントをお願いして突き離せること。そして今回GT-2チームが多いことから、レンタル特有の乱場に強くアドリブが効くなど、様々な理由があった。2コーナー先の水たまりでハイドロプレーニングを起こし、一時は順位を落とすが、怒涛の追い上げでトップを奪還、その後は安定した燃費走行で突き離し、2位から1ラップ差で40分のロングを終えた。

平柳選手

平ポン、ピンボケでスマン!

マツケラさんの燃費走行で3回給油には余裕があることが分かった。給油して平ポンに繋ぐ。その平ポン、圧倒的なハイペースで逃げていく。バックマーカーの処理も抜群に上手く、フリーになると33秒6という驚異のタイムを出す。雨の中ですよw 正直燃費が心配だったので、35分でピットサインを出したが、結果これは杞憂に終わる。本来、燃費走行に無縁の平ポンだが、直前の21日に初めてGT-1マシンに乗り、すっかりマスターしていた模様。驚異の燃費値を叩き出した。

2回目の給油を行ない、くあどらさんに繋く。1st、2ndの2人が長く走行したので、ここからは残り3人が各30分のスティントを担うことになる。燃費は3回給油では良過ぎる状況。マツケラさん発案で赤旗レース終了を想定し、できるだけ給油を伸ばす作戦に切り替えた。3回給油をこなした挙句、赤旗終了で2回しか給油していないチームに負ける可能性があるからだ。

くあどら選手

くあどらさんは終始安定したラップを刻み、周回遅れの処理も上手くこなしていく。今年のカート走行の機会が少ない同選手だが、流石にスーパーSS、本当に上手い。安心からか、30分の持ち時間はあっという間に終わった印象だった。

ここでドラチェンのみ、マック矢島氏に繋ぎます。予定では僕のはずだったが、3時間耐久に変更されたことから、5人のうち1人のみが2スティント担当。ゴールをお願いしたかったので、僕とオーダーを入れ替えることにした。しかし矢島氏、雨が超速ぇ~です。低ミュー・マスターと呼ばせていただきたいw くあどらさんと矢島氏さんのタイムを見て、僕は緊張を隠し切れなかった。「俺、無理っす…」

マック矢島氏の走行が10分経過したころだろうか、雨脚が強くなり、4コーナー先でGT-2が立ち往生し始めた。しかもエンジンがなかなか再始動しない。SCドライバーがヘルメットを被るのが見える。「SC出る!!」 僕もヘルメットを被り、マツケラさんが矢島氏に給油のサインを送る。まだSCは出ていなかったが、給油所の場所取りも成功。給油を終え、規定の3分間が経過するのをシートで待った。しかし…

赤旗が出た。僕はマシンから降り、カートもピットに戻される。赤旗提示後、何台かのカートが周回を重ねたり、混乱が続いた。再スタートの際には、その周回が成立してしまうのか? 赤旗を厳守した僕たちが損をするのではないか? そもそもこのタイミングでの給油が吉と出るか凶と出るか? 様々な思惑が交錯した。

CAマネージャーK氏がドラミ招集を呼びかけ、今後の対応が発表された。GT-2のレースは終了。2時間耐久とし、2時間終了時点の順位がリザルトとなること。GT-2を名指しした時点で、GT-1の再スタートは予感できた。このまま走らずに勝つのも良いが、そうはさせて貰えないようだ。僕としても、雨の中で走る緊張から逃げ出したい気持ちを捨て、気合を入れ直す。レース終了時間まで約1時間。ドライバーの5回交代義務は生きたままで、ゴール・ドライバーである矢島氏に繋がなければならない。

AKMT

スポーツカートでは珍しいSC無しでのローリング・スタート。雨脚は強く、ローリング後の接近戦で視界は最悪だった。周回数が大きく違うチームが前方に居たが、僕としては安全に行くしかなく、バトルに持ち込むことはなかった。皆から預かったタスキですからね…。長く後塵を拝したが、相手が4コーナーの立ち上がりで失速した際に安全に抜き、あとは一人旅。スティント終盤、水を吸ったのかエンジンが息つき症状が出てしまい、水溜りを極端に避けながら走行、ひたすらピットサインを待った。

残り10分、ゴールドライバーであるマック矢島氏に繋ぐ。しかし矢島氏、4コーナーで立ち上がらず苦労しているのが伝わってくる。エンジンの状況は、かなり悪化しているようだ。同じ症状に悩まされた僕としては、緊張が走る。とにかく走りきってくれ~。

残り3分で8ラップ差、周回数で抜かれることはない。屋根下で勝利を確信し、ピットレーンへと向かう。なかなかプラカードが出ず、ヤキモキしましたw 矢島氏がガッツポーズでチェッカー!! ガレージCスポーツカート部、雨のレースも制して、今季開幕から4連勝!!!

マック矢島選手チェッカー!!CAスポーツカート耐久第4戦、GT-1クラス表彰式

突貫工事で迎え、しかも大雨のなかでも勝利を掴むことができた。しかしライバルであるGJC@ルーフRさんも、スピードでは互角以上にまで熟成している。ルーフRさんにトラブルが無ければ、どうなっていたか? そうルーフRはトラブルにより、9位フィニッシュ。…ということは?

ガレージCスポーツカート部は現在フルマークの60点。有効ポイントで35ポイント差。ルーフRさんが最終戦で優勝してボーナスポイント25点と全戦出場ポイント10ポイントを獲得したとしても、同点…。一般的なモータースポーツでは、優勝回数が多いチームに軍配が上がります。これはタイトル確定じゃないの!? 確定かどうかは秋ヶ瀬に問い合わせなければ分からない。でも、最終戦に出場すれば、全戦出場ポイントを獲得して、タイトルが決まる。

恒例のガレージCスポーツカート部 優勝記念写真

というわけで、おめでとう!!!

ガレージCがスポーツカート活動を始めて1年半、半年前に開幕戦で悲願の優勝を飾り、その後オートスポーツ東日本シリーズでも優勝を飾った。その後の目標は、もうCAタイトルしかなかった。これまで出場してきた歴代ドライバー、岡田さん、高橋さん、くあどらさん、マック矢島氏、ヒガシくん、そして今戦出場していただいたマツケラさん、平ポン、皆さんのおかげです。そしてメカとして素晴らしいクルマを用意してくれた岡田さん、本当に感謝しております。んで、少し僕も頑張ったかなw

次戦・最終戦ははオートスポーツ杯とのWタイトル戦。11月14日開催。全勝目指して頑張りましょう!! できればオールスターで行きたいな。