先の練習走行からオフシーズンの冬籠りに入ったわけだが、事前にいろいろと考え、師匠とも相談して、あるセットで走るようにしている。

AKMT

撮影:マック矢島氏

具体的には大幅にウェイトを積み、リア・スプロケも4丁ばかり小さくする。ミスったらどうにも立ち上がらないカートで走り込むのである。それとは別の課題もあった。先の低温のレースでタイヤが発熱せず、スロー・ペースのままレースが終わってしまう事態に陥り、その克服もせねばならない。しかし、良く々々考えれば、この二兎は一度には追えないものなのだ。

僕のカートの良く言えば挙動が軽く、悪く言えば接地感がない。この特性がタイヤの発熱に繋がり難い要因となっている。しかし前回の練習では、ウェイトの効果で接地感が出てしまい、発熱の特訓には成りえなかったのである。つまり両立はできない。

発熱し難いカートで発熱させるのも特訓になれば、重く立ち上がらないカートで底力を上げるのも特訓といえる。とても悩ましいが、表題のとおり後者を選ぶことにした。

AKMT

撮影:マック矢島氏

タイヤの発熱の方法は、しっかりとブレーキを踏み、荷重をかけ、曲がるしかないのだ。つまり速く走らせることと原理は同じだ。それを冷えた時にもできるかどうか…。カートの底力が上がれば、 自ずと身につくのではないか…と期待してみることにする。

本当にクラスを上げ、スーパーSSに出場するにしても、それは春以降の話になる。つまり暖かいのだ。タイヤの発熱問題よりも、底上げを図る方を優先したいと思った。吉と出るか凶と出るか。答えが出るのは、3月の中頃だ。