今日は2010年モデルの新車試乗会へと、オートパラダイス御殿場(以下apg)へ行ってきた。

前もって断わっておくが、僕は新車を購入する気はまったくない。各メーカーの方々には申し訳ないが、経験したくて、楽しみたくて、出向いたというのが正直なところ。こんな機会は滅多にないものなぁ。各メーカー様には感謝々々である。しかし所属ショップ・ガレージCの方々は、僕が新車購入に暴走るのではないかと、逆にご心配(?)をおかけしたと聞くw 「買いません!!」 今年はレースすらまともに出来ないというのに。心が動かなかったといえば嘘になるけど…。

前日はメンテから遅くに帰宅し、ブログの更新やら部屋の片付けやらで寝られず、睡眠2時間、朝6時に出発する。そもそも前々日の睡眠から3時間だったので、かなり体調が悪かった。妻の里帰りから久々の独身生活中にあり、週末はなにかと忙しかったりする。

今日はピーカンの快晴だと聞いていたが、出発時の東京の一般路面は濡れていた。国府津でチームメイトあまっつ一家と合流。道中は雪化粧した富士山がくっきり。しかし御殿場の一般道も濡れており、完全ドライになるのは時間がかかりそう。事実、9時過ぎにapgに到着した時には、思ったより濡れていた。

オートパラダイス御殿場オートパラダイス御殿場

ここでチームメイトのタスク君一家、チクリンさんとも合流。一足先に走行したタスク君によれば、見た目よりはグリップしたという。早速、誓約書にサインをし、各メーカーに走行予約を入れる。本当はコンディションの回復を待ちたかったのだが、前詰で予約する雰囲気。いきなり11時から本命のSPiRiTで走行することに。ちなみに1回の走行はイン・アウトラップ込で5周、1,000円なり。

SPiRiT SP30KF

SPiRiT SP30KF。名前のとおり、今年からは30φ。正直、ウェットの初コースでインプレッションどころではないと思われた(事実、全然怖くて踏めなかった)が、乗ってみると強烈に伝わってくるものがある。「なんだこれ?」と思う程、車体全体でグリップする。これが新車だからなのか、新型モデルだからなのか、今の僕の経験値ではまったく区別できない。しかし自分のカートと比較すれば、反則に思われるほどの接地感、まるでダウンフォースがあるかのように路面に吸いつく。ステアリングが重く感じた。軽くないカルチャー・ショックだ。

birel SWF Y30-C

12時台。birel SWF Y30-C。SLライン通称青ビレルも、フロントメンバーを除き30φ化。路面コンディションは若干回復。いや、新車は凄い。やはり自分のカートとは比べ物にならない。SPiRiTと比較すれば、若干アンダー目に感じられた。ステアリングを切り足すとリアがスライドする。まぁ下手くその印象なので、アテにはならない。コースに慣れてきたとはいえ、コンディションもコンディションだし…。

13時台にはTONYKART系列のニューブランドEXPRITSの試乗を控えていたが、ここで我慢できず、追加予約。少しだけ覚えてきたコース、回復したコンディションで、もう一度体験したい。選択したのは、そう、SPiRiTだ。とにかく強烈な印象だった。同じ12時台の最後のセッションで走行。

日陰の1~2コーナーを除き、ほぼドライ。印象は変わらず、とにかく凄いグリップ感。昨年からbirel系で採用されているC1型フローティング・ブレーキも、かなり好きかもしれない。夏に秋ヶ瀬で今年モデルを試乗した時には、その蹴り出しの良さに感動したが、2010年モデルはフロントの入りが強烈。フロント・タイヤから、今まで聞いたことのない音と感触が。「なんだこれ、なんだこれ」と呟きながら走行。これはヤバイ。

13時台。最後にEXPRITSを試乗。TONY系は畑が違うため、乗る機会はない。この機会を利用しなくてどうする。(本当はTONYを予約していたつもりだったのだが、気がつくとEXPRITSだった…汗) いや、これは乗り易い。知られているとおり、ブレーキはbirel系のガッツリ・タイプとはまったく異なり、かなり違和感があったが、良く曲がるし、立ち上がる。

総評。新車は別物。体調が悪かったこともあったが、強いショックをうけ、パンチ・ドランカー状態。とにかくカートを別の生き物のように感じた。今の自分のカートでは、タイヤのグリップだけを頼って曲がっている。しかし、新車だからか新型だからかは分からないが、フレームで曲がる。カートで良く言われていることを、ようやく体感できた。もちろん僕が下手くそなだけで、今のカートでもそういう走りはできるのだろう。しかし新車は、そんな僕ですら、それを感じさせてくれた。

僕の一押しは、ズバリSPiRiT。派手な部分に魅了されたに過ぎないのかもしれないし、この季節の試乗で1年を推しはかることは、僕の経験値では難しい。しかしチームメイトの言葉を借りれば、奥深さもあるだろうし、強力な武器になることは間違いなさそう。今月20日(日)にはホームの秋ヶ瀬で、ガレージCの購入検討者向けにSPiRiTの試乗会が行なわれる。僕も参加したいのだが、その日は飯能で耐久。ちょっと悔しいぞ。その前に、購入検討者じゃないだろw

帰路、同世代の先輩チームメイト・高橋氏が新車購入を決断したという吉報を知る。やはりSPiRiTだ。まさに今日SPiRiTにパンチを喰らわされただけに、感慨も深い。僕は同じカートを駆る高橋氏の背中を追って、カートを続けてきた。しかし、もともと遠かった背中が、さらに霞んでいく…。カートを初めて1年強、まだまだ先輩カーターの方々と比較できる立場ではないし、そもそも失礼だ。自分のカートでやるべきことはある。今日新車が感じさせてくれたことを、腕で再現すべく努力する。まだまだいけるぞ!! 伸び代もある。気合を入れ直す。カート人生の転機となる1日だった。

でもSPiRiT欲しい…www

※12月7日追記:タイヤが07だったかは確認せず。