さて、もはや開催から1週間が経とうとしているが、どうしても暇がなく、この日に観戦記を書くことになった。既に詳細な記憶は薄れているが、書き記そうと思う。

というわけで、スポーツカート界の全国大会と言っても過言ではない『レンタルカートフェスティバル(以下RKF)』、初日のスーパーレンタル・クラスは応援・観戦ということで、ツインリンクもてぎに行ってきた。

レース当日の早朝に出向くのは難しいということで、前日から宿泊、チーム・ガレージCとともに、宇都宮から現地へ向かった。前日走行の模様を聞いてみたところ、ホーム秋ヶ瀬ではギリギリだった燃費も、もてぎでは真っ赤となり、急遽キャブレターを交換したという。今年のスーパーレンタル・クラスは、スタート時の燃料が2リッター、その後2リッターずつ計4回までの給油が認められる。仮に5回目に突入した場合は、20周の減算というペナルティに課せられる。つまり、10リッターで4時間を闘わなければならない。スピードは犠牲、とにかく燃費をクリアしないことには話にならないのだ。

ピエール北川さんの掛け声で、オープニング・セレモニーが始まる。憧れだったRKF、レンタル界では有名な、あんなチームやこんなチームが出場している。オートスポーツ杯で相まみえたことはあるが、そこは聖地もてぎ、感慨もある。セレモニーに続いてドライバーズ・ミーティング、そして50分の公式練習に入っていく。

選手宣誓は、SAFTY FASTのいないなさん!

選手宣誓は、SAFTY FASTのいないなさん!

オフィシャルとエール交換!!

オフィシャルとエール交換!!

朝一番のコンディションということもあるだろうが、周囲のタイムペースは前日練習ほどではないという。どこも燃費が苦しいんだということが予想できた。こちらは超の付くノーマルGX270+純正湿式クラッチ、しかもフレームがスーパーウィンフォースということもあり、他より10kgは重い。燃費勝負でも分が悪い。苦しい闘いが予想できた。

くじ引きにより、スターティング・グリッドは30番手。スターティング・ドライバーは元地方選ドライバー・ヒガシ君。昨年はガレCのスポーツカート活動でエース的役割を果たしてくれた。しかし劣勢には変わりはない。チームとしてできることは、セーフティカー(以下SC)を効果的に活用するしかない。給油はもちろんのこと、給油の順番待ちも許されない。運良くピットはセーフティカーの待機場所付近にある。セーフティカー出動のタイミングを図る、それにはSCドライバーである塚越選手の動向に注目するのだ。

グリッド集合!! なぜにあまっつも?

グリッド集合!! なぜにあまっつも?

地元ラジオ局のインタビューが!?

地元ラジオ局のインタビューが!?

開始30分、最初のSCが入る。ここで給油、元地方選ドライバー・平ポンにドライバー交代。入ってくるのは多少早かったが、許容範囲。SC出動から、次のSCまでは30分間が空く規則。その間にコース外に止まったカートは、最高30分は立ち往生するしかない。この30分間隔で、見事にSCが入ることになる。

東選手(撮影:マック矢島氏)

東選手(撮影:マック矢島氏)

平栁選手(撮影:マック矢島氏)

平栁選手(撮影:マック矢島氏)

3rdドライバーは飯能チャンプのイガワさん。とてもスマートな方なのだが、それでもチーム内では最重量。しかしペースも燃費も申し分なく、続く男のミクちゃんに繋ぐ。逆にミクちゃん、チーム内では最軽量。かなりの燃費が期待された。しかし戻ってきて驚いた。極端なマイナス燃費だったのだ。そういえば、かなりスリップを使っていた。本来であれば、似たペースのカートの後ろに張り付き、スリップを利用することでアクセルを抑え、燃費を稼ぐ。しかし、我々の基本ペースが遅かったことで、逆にスリップで付いていってしまえばオーバーペース、燃費に直撃してしまったようだ。

SAFTY FAST with AUTOSPORT

SAFTY FAST with AUTOSPORT

ここで驚くべき事態が発生した。昨年の覇者であり5周差でリードしていた『SAFTY FAST with AUTOSPORT』が3~4コーナーで止まっていた。ドライバーは、同じガレージC所属の”あまっつ”。残り1回の給油を残してのガス欠だった。その後同チームは戦線復帰し、オレンジボールを喰らいながらも、6位入賞を果たす。恐るべきスピードだ。

さて我々は最後の給油でヒガシ君に交代。燃費走行を心掛けるよう送り出した後、サインボードでもしつこいくらい「アクセル」のサインを出し続けた。それでも燃費が心配なこと、そして先の平ポンの走行時間が少なかったこともあり、ピットで残燃料を確認し、平ポンをチェッカーにむけて送り出した。平ポンは51秒ペースで燃費走行を完遂し、見事にゴールまでカートを運んでくれた。残燃料は400mリットルも無かった。

結果は27位。しかし、自分たちの環境を考えると、やりきった後の結果だった。悔しいが満足感はあった。今後の課題は、ずばりエンジンだろう。どのように手を入れていくべきか、今後のレギュレーションの動向を見守り、決断することになるだろう。

チームはスタッフ岡田さんと僕を残して解散、翌日のレンタルクラスの準備に入る。僕達は秋ヶ瀬代表のN35+GX200。B車両といわれる100kgカートで、その分燃料制限がヌルい。計算では、全開走行でも2回給油で乗り切れる。そのマージンを活かしきれるのか? 細かな計算はモチベーションの妨げになるので、やめておいた。全開で闘うしかないからだ。宇都宮のホテルに戻り、深く考えることなく眠りについた。

つづく!!