今日は『レンタルフェスタ第3戦』2耐クラスを観戦に、大井松田カートランドへ行ってきた。同サーキットに訪れるのは初めて。以前から「行きたい、行きたい!」と駄々をこね続けてきたが、なかなかスケジュールが合わなかった。

2耐クラスには、来年の『レンタルカートフェスティバル(以下RKF)』のGT2出場枠を狙い、レーシングでのチームメイトのマツケラさんがシリーズ参戦中。更に『オートスポーツ東日本スポーツカートシリーズ(以下AS杯)』開幕の地であり、当時「走行経験さえあれば…」と参戦を断念した経緯もある。つまり僕の興味は最高潮に高まっていたのである。そしてレンタルフェスタでは、レンタル練習走行枠もある。レースを観戦しつつ、自らもコースを体験できるのだ。遠方からの訪問になるので、1日で2度美味しい、この状況を見逃す手はない。といいつつ、過去2回逃してきた。今日は3度目の正直なのである。ようやく念願叶う。

同サーキットに魅せられた理由は他にもある。レンタル車両である『T4Fスポーツ』。birel社の『N35-X』が全盛のなか、TIAフレームを使ったスポーツカート仕様、4stレンタル車両では最速といわれる。僕が先のAS杯から継続参戦を予定しているサーキット秋ヶ瀬の耐久シリーズ、その上位2チームにRKF出場枠が与えられるが、その際の車両が秋ヶ瀬所有の『N35-X』+『GX160』ではなく、この『T4Fスポーツ』になるという噂。大井松田と提携したとかしないとか。RKFに出場できるかどうかは別としても、この『T4Fスポーツ』を体験しておいて損はない。

そんな最高潮な僕の気持ちに水を差すのが天候。前日の朝には雨予報だった。レンタルフェスタは過去3年の歴史で雨になったことがないという。雨ならば中止? 出場者の皆さんもそう思っていたようだ。しかし同サーキットのHPにて、レインタイヤの写真とともに「全車、レインセット完了ですので心してご来場ください!」と告示。さて、僕としては困った。『T4Fスポーツ』の走行にはコース・ライセンスが必要。まずはリミッター付の『T4L』で基準タイムを出さなくてはならない。ウェット+レインタイヤで出せるものかどうか…。前日夕方には予報が変わり、日中は曇り。

雨の大井松田

そして当日。平塚でマツケラさんに拾っていただき、一路、大井松田へ。公共交通機関を使ったアクセスは若干不便なので、とても助かった。マツケラさん感謝です!! サーキットに到着すると、残念ながらコースはウェット状態だった。午前中のスプリントが終わったばかりだったが、出場していたコーウェン君の話では、ウェット・コンディションでレインタイヤ装着だったようだ。12時からレンタル走行時間、天候は回復傾向。ドライパッチが見え始めていたので、他の車両が水を弾き飛ばすのを期待し、少し待つことにした。少しでも基準タイムに近付くためだ。しかし無常にも雨が来た。ここまできて乗らずに帰るのも辛いので、若干諦めムードのなか、『T4L』で走行してみた。

さてさて同サーキット。レイアウトはホームである秋ヶ瀬に似ている。しかし走ってみると、その少しの差に違和感が。秋ヶ瀬では1コーナーは全開で飛び込み、2コーナー手前でブレーキングだが、ここでは1コーナー手前でブレーキング、2コーナーは立ち上がりながら全開である。3コーナー(ヘアピン)から4コーナー(右コーナー)へのアプローチも異なり、その右コーナーも奥に行くほどRがキツくなる。いちいち秋ヶ瀬とは逆なのだ。似ているようで違うので、リズムが合わない。それに雨。結局終始40秒台に終わってしまった。難しい。

遠方から来て1度だけなのも何なので、『T4L』ではあるが、もう一度走行することに。走行申込をしにいくと、先の走行のタイムを聞かれた。少々屈辱を感じながら答えると、「Bライセンスですね!」と言われてビックリ。僕が基準タイムを勘違いしていたのだ。ついに『T4F』に乗れる!! 雨だけど…。やはりパワーが違った。フレームがTIAだからか、レーシングの感覚に近い。3コーナーの立ち上がりでスピン祭。9周走行して7回スピンしたので、タイムが出たのはわずか2周。これは恥ずかしかった。38秒7。初コースの初カートの雨なので、これがどういうタイムなのか、まったく判断できず…。

レンタル走行枠が終わり、天候は再び回復、太陽まで出てきた。コースから水蒸気が上がる。2耐スタートまで1時間強、これはドライ・レースになるだろう。タイヤもドライに換装されていく。応援するのは、もちろんマツケラさん擁する『Team N1』。抽選で11番グリッドの2号車。2号車は可もなく不可もないらしかったが、公式練習では好タイムが出ていた。ちなみに同チームのドライバー交代義務は4回。

いよいよスタート。後方からのスタートなので、すぐにドライバー交代を消化し、2番手のマツケラさんがクリアな状態で走行。好タイム連発、順調に順位を上げていく。そしてAさん、体調不良のSさんまでも安定したペースを刻み、3回のドライバー交代を経て、最終ロング・スティントのマツケラさんへ。ここでも好タイムを連発、2番手に1ラップ差をつけ、最終的にはクルージング。そのままトップでゴールした。おめでとうございます!!

マツケラさんレンタルフェスタ第3戦2耐クラス表彰式

初めて見た大井松田のレンタル耐久レース。車両のポテンシャルが高く、レベルも高い。そのスピードとバトル。比較してはいけないのかもしれないが、まるでレーシングカートを見ているような錯覚を覚えた。それにしても羨ましい環境だ。闘い甲斐もあるだろう。レンタルやスポーツカート文化が盛んなのも実感できた。後で聞いた話だが、やはりF.ドリーム平塚が起点となり、レーシングコースである大井松田に波及したようだ。僕もレンタルカート界にそれほど詳しいわけではないが、東京・埼玉地区でも同じような流れを作れないものか。秋ヶ瀬も今年から耐久シリーズが始まった。サイは投げられている。

さて帰る前にウズウズ。せっかくドライになったのに…。レース後にレンタル走行時間はないのだろうか。マツケラさんがサーキットに問い合わせてくれた。残念ながら、その予定はないという。しかし、こちらが遠方から来たことを話すと一転、なんと特別に走行させて貰えることになった。正直、ビックリした。こんなに有難いことはない。マネージャー様には、なんとお礼を言って良いか…。とにかく大井松田さんは最高です!! 感謝です!!

いよいよ『T4F』のドライ走行。レーシングさながらのスピード、その要因の一つはタイヤにある。レーシング用のSL83タイヤが装着されているのだ。先のウェットとはスピードのレンジが違う。4コーナーやZコーナーの攻め方が分からない。結局34秒3がやっと。先の耐久のファステストが32秒6、せめて33秒台には入りたかった。ポン乗りとは言え、とても悔しい結果となった。気軽には来れないが、また挑戦したい。

T4FスポーツAKMT

今日はリミッター付『T4L』から走行を始め、ライセンスBを取得して『T4F』に搭乗、最終的にはライセンスAを取得した。しかし後になって、SLライセンスさえあれば、最初から『T4F』に乗れたことを知る。SLライセンス、持ってますよ~。少し残念だったが、どのみちウェットだったので、最初はリミッター付で丁度良かったのかもしれない。初めての大井松田、とても楽しかった。贅沢な一日、誘っていただいたマツケラさんに感謝です!!