今日は先日からの予告通り、夏季休暇を利用し、今話題のカート『SPiRiT』の試乗にサーキット秋ヶ瀬へ行ってきた。

レンタルしてくれたのは、もちろん所属チームであるガレージC。チームメイトのマツケラさんにお誘いいただき、1日をシェアする形でレンタルした。快くSPiRiTをレンタルに出してくれたショップに感謝である。思えば昨年の夏季休暇にレーシングカートの初試乗を行なった。1年弱が経過し、再び夏季休暇に試乗するというのも、何だか面白い偶然だ。

スランプに陥った前回から、約4週間ぶりの秋ヶ瀬である。あまりにも久々過ぎて緊張する。現在自分をぶっ壊している最中であり、間に榛名初体験を挟み、今回のSPiRiT試乗もその一環である。自分のカート以外のレーシングカートに乗るのは、レーシング初試乗を除き、経験がない。自分のカートにない挙動など、新たな発見があれば、めっけもんである。

しかしながら今日の秋ヶ瀬は灼熱地獄。パドックは39度にも達していたらしい。気が遠くなった。正直言えば、この天候に気力と体力を使い果たし、SPiRiTのインプレッションどころではなかった。冬生まれの僕には、この暑さは堪える。思えばカートを始めて、ずいぶんとアウトドアになったものだ…、などと「ここは何処? 私は誰?」的なことを考え始める。完全に熱にやられた。

AKMT with SPiRiT

今回試乗したのは、先の地方選・茂原で使われたばかりのSPiRiT『SP 32Z KF』というモデルで、エンジンをKTに乗せ換え、タイヤをSL07に履き替えただけ。つまりラジエーターはおろか、フロント・ブレーキも付いたままなのだ。フロント・ブレーキを体験できるのは、SLカーターにとってレア・ケースだ。といって積極的に使えば、自分のカートとの乗り比べにはならない。最後の最後のお遊びとして、とっておくことにした。

1回目の走行は、ペダルが遠く、まともに乗れない状況。自分の脚の短さを呪いつつ、調整を済ませ、2回目の走行へ。なんとかスランプ突入時に自分のカートで出したタイムを出すことはできた。しかしシートが合わず、ステアリングが遠い。フロント・ブレーキを装着したままなので、調整もできない。腕を伸ばしきっての操作に、疲労が蓄積していく。こればかりはレンタルなので仕方ないだろう。

AKMT with SPiRiT

さてさてSPiRiTの印象は??

まずブレーキだ。昨年からbirelで採用されているC1型フローティング・ブレーキ。とにかく効きが強力で、慣れるまではカートの挙動を推し量ることすらできなかった。だからか、まずはブレーキングの必要ない1コーナーの進入には感動した。自分のカートでは考えられないくらい安定する。いつもなら「全開だ!!」と気合で飛び込んでいくのに、「あー、全開で飛び込んじゃったよ」というくらいカジュアルに飛び込める。

結局ブレーキには最後まで慣れなかったが、とにかく集中力の必要なカートだと分かってきた。この暑さの中では、それが一番難しい。少しのミスも許容してくれず、失速する。しかし何のマグレか、時に信じられないほどの高速旋回を味わうこともできた。また、これもマグレ的要素が強いのだが、コーナー脱出時に信じられないほど蹴り出してくれることがある。どちらも再現はできないのだが、狙って出すことができれば、強力な武器になることは間違いない。これまで自分のカートに散々乗ってきたが、こういう体験はしたことがなかった。決してスイートスポットは広くないが、とにかく一芸、とても戦闘力のあるカートだと思う。オーナーとして、このカートにじっくり向かい合える方々が、正直羨ましい。

結局フロントブレーキは、あまり遊べず。足と連動して操作するのが難しい。身体が勝手に反応する場合を除き、例えば僕の場合は、気合のブレーキング・3コーナーで、気合いが空回りしてフロントだけ操作してしまったりと大慌て。こればかりは慣れが必要だろう…。

あとはSPiRiTとは全然関係のないのだが、ある事を自覚してしまった。夏が苦手である。重い路面に適応することができない。もともと僕は雨上がりなど、滑りやすい状況でベストタイムを出すことが多い。グリップ過多なこの時期、どのように対応していけば良いのか…。次戦は9月13日。まだまだ暑いだろう。大ピンチである。8月末にはレースにむけて、本格的に練習に入る。スタッフの岡田さん、いろいろと相談に乗ってください!!

最後に今回の試乗のきっかけを作ってくれたマツケラさん、そして実現してくれたチーム・ガレージCに感謝。本当にありがとうございました。