今日は新車のシェイクダウンへとサーキット秋ヶ瀬へ行ってきた。

いよいよ新車である。ファーストショットはこんな感じ

AKMT壱号車 SPiRiT SP30KFAKMT壱号車 SPiRiT SP30KF

…いつもと変りなく見えますが、よーく見て下さい。そうフレームが黒い! 所属ショップ・ガレージCの関連ブログなどで既にご存知の方も居るとは思いますが、今回購入したのはSPiRiT製『SP 30 KF』。その名が示すとおり、トップカテゴリーでも使用されるフレーム。今回カウルが旧車と同じなのは、単にカウルステッカーの作成が遅れているため。いずれ大幅に軽量化された新型の白カウルに、新しいカウルステッカーで粧飾・換装する。

正直僕にはオーバースペックなフレームだし、昨今ではエントリー向けに安価なカートも出てきている。しかし何にも代えがたいモノがあるため、このフレームの購入を決断した。現在ガレージCでは、このフレームが主流。データが豊富なのである。この情報はお金では買えないものなのだ。まさにプライスレス!! そして昨年末に新車試乗会でショックを受けたカートであり、妻曰く、その後の僕を迷走させた元凶らしい。

これまで先輩方のシェイクダウンを見てきて、新車とのファーストコンタクトはとても重要だと思っていた。最初に苦手意識を持ってしまうと、なかなか払拭できない。というわけで、今回は自分なりに鉄板だと思われるパーツ類で最初から組んでもらった。

Project μ

一番重要視したのはブレーキ。旧式のフリーライン製C型から新型のC1型、この変化に手を焼く人は多い。どちらもガッツン系ブレーキなのだが、その度合が遥かに違うのである。というわけで、パッドをプロジェクト・ミュー製の効きにくく調整されたモノに変更。

更に念には念を。ブレーキペダルも変更した。WILDKART製アルミペダル。以前、先輩が使用しているのを見て興味を持ち、半ば憧れにまで昇華していた代物。剛性がアップするだけでなく、ワイヤーの取り付け位置などが変更でき、ブレーキの力の掛かり具合を細かく調整できる。

WILDKART製アルミペダル

WILDKART製アルミペダル

WILDKART製アルミペダル

WILDKART製アルミペダル

さらに! これは少し話が異なるが…。

RR 3L燃料タンク

RR 3L燃料タンク

RR 3L燃料タンク

RR 3L燃料タンク

RR製・小容量3L燃料タンク。今回の新車はセル・クラッチ付き(以下SEC)のコンプリートにしたため、エンジン周辺の重量が増す。できるだけ軽量化したかったため、このタンクを導入した。タンク自体も軽量なのだが、問題はガソリン積載量。SLでは3リットルもあれば、十分セッションをやり過ごすことができるが、通常のタンクでは油面が低くなってしまい、パワーダウンに繋がる。この小型タンクにより、少ない燃料積載量で油面を上げることができる。注意が必要なのは、ガソリンによる重量調整が事実上不可能になる点。体調管理はシビアになるし、常に鉛のウェイトを持ち歩かねばならなくなる。なお今回のシェイクダウンではSECエンジンは使用せず、いずれレース用になるであろうダイレクトを用いた。

あとは細かいところ。ロゼット・ワッシャーが赤!! これは僕の本名的に重要w

ロゼット・ワッシャーロゼット・ワッシャー

さてさて、新車紹介に多くの面積を割いてしまった。この日は翌日のスポーツカート耐久レース出場に備え体力温存、午後半日走行とした。しかし午前中からサーキット入りし、シェイクダウン前の最終調整に入る。まずは重量測定。いろいろとパーツを交換したため、素の重量が分からないのである。測定した結果、予想以上に軽いことが判明。ダイレクト・エンジンでウェイトを7~8キロ、SECでも1~2キロ搭載する必要があることが分かった。手持ちの3キロに加え、4キロのウェイトを購入し、装着する。

しかし暑い! 灼熱のアスファルト地獄、手持ちの温度計では40度近かった。午後1本目は、午前中から引き続きコマー・カデットと一般カートの30分交代制。しかし昼から来場する選手も多く、コース上はとても混み合っていた。

AKMT壱号車シェイクダウン

いよいよシェイクダウン開始。チームメイトの先輩方が、3人同時で押しがけしてくれたw ピットロードで細かな振動、まだフレームが固く、張りがあるのが分かる。走行し始めて最初に感じたのが、「とにかく曲がる!!」だ。いつもと同じだけステアリングを切ると、曲がり過ぎる。切るタイミングと舵角がまるで違う。アクセルを踏んでも、ブレーキを踏んでも、とにかく曲がるのである。あと伝わってくる情報が複雑怪奇。今まで大雑把に感じていたコーナリング途中の挙動、例えばそれが今まで3段階だったのが、一気に6段階くらいに増えたような…。2Dから3Dになったような、オートマからマニュアルに乗り換えたような、そんな情報量の多さなのである。あとで店長からは、「要らない操作をするから変な情報が伝わってくるんだ!!」と怒られるw あと、どうしても降ろしたばかりのフレーム、反応がクイック過ぎるようだ。これは3~4日ほど走行すれば、徐々に落ち着いてくるという。

なかなかクリアラップが取れず、タイム的には29秒フラット。ちょっと落ち込み気味に戻ってきたのだが、ベンチマークにさせていただいた先輩からはコンマ1秒落ちくらい。少し安心した。午後になって、少しコンディションが悪化したようだ。

午後2本目からは、一般カートが初・中級者と上級者に分かれ、20分セッションとなる。ようやく落ち着いて走行できる。とにかく慣熟に努めようと無心に走っていると、先輩チームメイトの松沢さんに前に出られた。絶好調の松沢さんにどこまで追い縋れるか、なんとか10周ほどは張り付けたのだが、付いていくので精一杯。あとは集中力を失い、ミスを連発。離されてしまった。タイムはギリギリ28秒台に入り、なんとか先輩からコンマ1秒以内には入ることができたようだ。次は20周、その次は30周と、徐々に付いて行ける距離を伸ばせればと思う。松沢さん、また遊んで下さい!!

応援に来てくれた先輩チームメイト・高橋さんによると、4コーナーと最終コーナーで操作が遅れているという。店長からも同様の指摘があったようだ。既に店長はコース付近にあらず、なんとなくの想像で3本目の走行に臨む。

難しい。僕は考え過ぎなようで、考え無さ過ぎる部分が多い。最終コーナーはともかく、4コーナーが異常に難しくなった。というか、僕はこれまで何やってきたのか。大雑把にいえば、これまではヘアピンのようにエイヤで抜けていたことになる。いやきっとヘアピンとて、コーナーには違いないのだ。これまでの考え無しを呪った。いろいろ試して、タイムは29秒フラットにダウン…。

少しホロ苦いシェイクダウンになったが、とてつもなく実りのある半日だった。こんな僕でも新車に乗れば、いろいろと見えてくる。ポン乗りでコンマ何秒も速くなるほど甘いカートではないが、かなりの戦闘力なのは間違いない。何より、これからは自分だけ疑えばよいのだ。ぜってぇ攻略してやる。

最後に、全日本で忙しい最中、新車をつま恋から引き取って下さった伊勢田店長、スポーツカート耐久の準備で忙しい中、無事に組み上げてくれたスタッフの岡田さん、本当にありがとうございました。頑張ります!!