先週末の9月19日(日)、『CAカートレース』第5戦、AKIGASE-SSクラス出場に、サーキット秋ヶ瀬へ行ってきた。

ちょっと調子を崩し気味で迎えたレース。超ネガティブM野郎の僕としては、悩みの種に不足することはなかったが、フレッシュマン卒業のかかる大一番、正直かなり追いつめられていた。

AKIGASE-SSクラスはタイムトライアル(以下TT)→予選→決勝という通常の積み重ねがなく、TTの結果でレース1とレース2の2レースを行なう。当然TTは重要だが、やり直しの利くルールとなっている。しかし、こと『卒業』に関しては、この仕組みが仇となる。この『卒業』というシステムは、フレッシュマンからエキスパートに昇格する上でチームが科した儀式のようなもので、条件は簡潔に『フレッシュマン・クラスで勝つ』こと。しかし今年から生まれ変わった旧フレッシュマン・クラス『AKIGASE-SS』では、1日に2レースある。『勝利』の定義が曖昧であり、幸か不幸か先駆者であるチームメイトは2勝して卒業している。つまりTTが重要かつ、2勝しないとチーム内で『審議』となってしまう。よって全ヒートが等価値。今回ばかりはレース内容より、結果が重要だった。

公式練習から連続して行なわれるTT。予定通りアウトラップ、インラップの2周で皮むきを行ない、その後はピット・イン。前戦での失敗を繰り返さないため、隊列の何処に入るか探るためだ。実は、これまでの練習でスタッフの岡田さんとシミュレーションを繰り返していた。その成果があり、理想通り…いや理想以上のタイミングでコースに復帰することができた。目の前は完全に開け、最高の気分。皮むきが十分ではなかったのか、最初はグリップ不足に悩まされた。伊勢田店長がヒート前に「ニュータイヤだからって攻めず、グリップを確認しながら丁寧に行け! その方がタイムが出る」とアドバイスをしてくれたのを思い出し、焦らず丁寧に周回を重ねる。ようやく28秒台に突入して一安心。前走車はタイム的には最大のライバルと目されたH選手だったので、簡単に詰まることはなく、むしろ安心してアタックを続けることができた。28秒76が出たところで、トラフィックが出てきたためペースダウン。しかし余裕をかまし過ぎて、後続車に抜かれるw 再アタックの機会を失い、そのままチェッカー。まだまだグリップが上がりそうだったので、タイムアップできずに少し残念だった。しかしポールだ!! ミッション1をクリア。

続くレース1、隊列を引っ張ること自体は経験があるので、あまり緊張せず。スタートも上手く決まり、あとはブッチギルだけ!!と思ったのだが、ペースが上がらない。ライバルH選手に詰め寄られる。前日練習でチームメイトである地方選ドライバー・三笠雄ちゃんに「後ろを気にし過ぎ」と指摘され、これまでに多くの先輩方にも同様の指摘を受けていたので、後ろをまったく観ないことに努めた。正確には、観ていると「思わせない」こと。おかげで集中力が持続し、決定的なミスも犯すことなく、チェッカーを受けることが出来た。

初優勝だ!!

現場に居た人に言い訳です。ガッツポーズが遅れたのは、チェッカーだと思ってなかったからなんですよ。ラスト1周のプラカードが提示されなかったんです。

車検場に帰ってみると、キャブのハイが全閉だった。実は新品キャブ、練習中にも勝手に閉じるトラブルがあったのだが、再現性に乏しく、騙し々々使っていた。確かに途中までは開いていたのだが…。どおりでペースが上がらないわけだと、ここは納得することにした。とにかくミッション2クリア。

CAカートレース第5戦 AKIGASE-SSクラス レース1暫定表彰式CAカートレース第5戦 AKIGASE-SSクラス レース1暫定表彰式

午後のレース2、いわば本番だ。これには緊張した。スタートに成功したと思ったら、リスタート…。何度も同じタイミングだとバレるので、次は少しばかりタイミングを変えてみた。「俺って冷静だな!」とほくそ笑んだのも束の間、僕自身がカブっちゃいましたw ライバルH選手の先行を許し、2番手に落ちる。レース2の優勝なくしては、卒業にあらず!! 卒業条件が曖昧なおかげで、逆に目の前のニンジンがくっきり。「抜くしかない!!」 間髪いれず、オープニングラップの最終コーナーから仕掛け始める。 1発目の仕掛けは止まり切れず、刺し返さたが、2周目の最終でトップ奪還に成功。だたペースが上がらない。キャブは開いてるし、結局最後まで原因は不明のまま。序盤は後続もペースが上がらず、「助かった」と思っていたところ、バックマーカーの処理で追いつかれ、最終で抜き返されてしまった。しかし、今日のところは4コーナーの脱出でこちらに分があるらしく、比較的冷静になれていた。翌周の最終でインに入り、2コーナーまで並走する事態にはなったが、なんとかトップを再奪還。その後は相手のミスにも助けられ、そのまま逃げ切ることができた。

CAカートレース第5戦 AKIGASE-SSクラス レース2CAカートレース第5戦 AKIGASE-SSクラス レース2

カートを始めて2年。やっと勝つことができた。この幸福感を味わえたのも、伊勢田店長や岡田さんをはじめとしたスタッフの皆さん、そして僕にカーターとしての背中を見せ続けてくれている諸先輩方、僕のケツをガンガン叩いてくれた同輩・後輩の皆さん、デビュー以来暖かく見守ってくれた秋ヶ瀬スタッフの皆さん、そしてカート活動に理解を示し、支えて続けてくれた家族のおかげです。本当にありがとうございます。

今年は娘が生まれ、レース活動を縮小せざるをえなくなった。そして一時はカートそのものを止めることも考えた。皆さんのおかげでなんとか立ち直り、スポット参戦3レース以内での卒業という公約も果たすことができました。

表彰式、先輩方が騎馬戦の騎馬役となり、僕を担いで入場するというプレゼントをしてくれた。照れくさかったが、最高に嬉しかった。(入場テーマとか流して貰えば良かったですねw もちろんスタートレックのテーマ)

表彰台でもチームメイトのカメックスが居て嬉しかった。そして念願の愛娘・翼との記念撮影も実現した。

CAカートレース第5戦 AKIGASE-SSクラス レース2表彰式CAカートレース第5戦 AKIGASE-SSクラス レース2表彰式

…と結果に対しての感情として「嬉しい」という表現が出てこない。正直、大本命視されていただけに、「安心」が勝る。これでやっと憧れの舞台に上がれる。

スポット3戦の公約を破り、4戦目、つまり次戦の最終戦にも出場する。もちろんスーパーSSクラスだ。30歳以上を対象とした大人のSSクラス。特に秋ヶ瀬の同クラスは『ライオンの檻』と称され、国内でも稀なハイレベルな上位陣を擁するクラスである。しかし子ライオンになるつもりはない。最初から歯が立つとは思っていないが、宇宙人にでもなって異種格闘技に持ち込めれば…。それくらいの覚悟で闘うつもりだ。

新車SPiRiTでタイムが出始めてからは、レースまでに調子を崩さないようにと、むしろ安定を求めて練習に取り組んできた。しかし目指しているブレーキングやコーナリングの実現させるべく、一度何かを壊して再スタートを切りたいと思う。当然バトル練習も積極的に行なっていきたい。チームメイトの皆さん、これからもよろしくお願いします!!

そう、そしてこのブログも『エピソード3:フレッシュマン編』を終え、いよいよ『エピソード4:スーパーSS編』に突入します。その前に日を改めて、フレッシュマン総括を行ないたいと思います。おっと、その前にCAスポーツカート耐久第4戦もありますね。とにかく、『卒業っ!!』ということでw 今後とも弊ブログをよろしくお願いいたします。

ガレージC AKMTフレッシュマン卒業写真

最後にガレージC伝統のフレッシュマン卒業式の写真。皆さん、本当にありがとうございました!!