先週末の2月26日(日)、『CAカートレース』開幕戦、スーパーSSクラス出場に、サーキット秋ヶ瀬へ行ってきた。

今年の目標は、ズバリ「全戦出場」。これがいきなりの危機。この目標は主に資金面の問題だったのだが、今回は仕事のスケジュール面で不安を抱えてしまっていた。というか、ほぼ欠場という状況だった。TwitterやFacebookではお騒がせして、すみません。結果的には、多少の問題を残しつつも、表題通り出場できた。心も身体も、まったく準備できなかったが…。

前々日(金)

チームメイトの多くが走行していたらしい。2年に1度の奇跡の好コンディションだったらしく、自己ベスト祭りだったようだ。チームメイトのTwetterやFacebookでは景気の良い”つぶやき”が続く。瀬戸際だった僕は、当然むっつりしたw 後で聞いた話では、あえて僕宛だったんですって。おかげで仕事ふんばれたよ!

前日練習(土)

午後のみだったが、なんとか乗る時間を確保できた。レース当日は晴れ予報なのだが、土曜は生憎の雨絡み。これほどコンディションが違う場合は、無理して走る必要はない。しかし、どうしても走っておかなければならない理由があった。実は翌日のレースを、1レース落ちタイヤで臨まなければならないからだ。しかも昨年の最終戦のタイヤなので、3か月放置されたタイヤ。皮むきではないが、一度熱を入れておかなければならなかった。

路面はウェットながら、午後から雨は止んでいた。早く路面が乾くようにと、僕も練習用タイヤで積極的に走行した。その甲斐があってか、最終セッションである3本目には、ほぼドライ。なんとかタイヤの熱入れを行うことができた。

サーキット入り

朝起きたら曇っていた。サーキットに着いても曇っていた。天気予報は完全に外れていた。2月末とはいえ、冬には違いない。日光がなければ、路面温度が上がらず、1レース落ちタイヤの僕にとってはジリ貧なのである。それでも諦めまいと、セットに頭を絞る。

タイムトライアル

昨年の最終戦の反省から、走る場所は決めていた。特に小細工の必要もなく、目当ての場所にもありつけた。もうチェッカーまでは全開走行のみ。序盤は4番手。ここから落ちていくのが、昨年のパターン。しかし目の前を走るのは、チームのエース・守谷選手。終始引っ張ってもらうことで、後半へのタイムアップを目指す。しかし28秒7で膠着。うまく周れたと思っても、7縛り。首を傾げながらのゴールだったが、なんとか4番手を維持していた。

予選ヒート

2列目アウト側のスタート。かなり上手くいき、インに飛び込む。前の競り合いに乗じて3番手浮上。だが後ろはエース・守谷選手。2周目のストレートであっけなく抜き去られる。序盤のペースの悪さは相変わらずだが、少しは改善傾向にある。でも、やっぱり遅い。何やら後ろで多重クラッシュがあったらしく、あちこちに黄旗。2位走行中の選手が周回遅れと接触してリタイヤし、3位浮上。その後のことは、あまり思い出したくはない。僕が精神的に最も苦手とするシチュエーションが待っていた。以前にも似たシチュエーションでレース後やらかしたことがあり、その後かなり反省して、トラウマになったものだった。苦い記憶がフラッシュバックして、かなり追い込まれた。呪縛が溶けてからは、ヒート2番手のタイムで3位フィニッシュ。もはやタイヤの劣勢は忘れることにした。

決勝ヒート

2012年CAカートレース最終戦 スーパーSS決勝グリッド

レース前から「チャンスだ」と皆に言われていたが、そう思い込める程は僕のネガティブ思考は甘くない。どちらかといえば、2列目の「イン側」でスタートできることに安心していた。ところがどっこい、こういう時にカブっちゃうんだな…。スタートで一気に5位まで落ちる。前はブランク明けながら、超ベテランのチームメイト・もっちーさん。この日の僕のカートは状態が良く、ペース的には上だったのだが、なかなかチャンスを貰えない。ここで昨年末のガレージCカップの経験が活きる。ガレージCカップ前の僕ならば、チャンスに行くことすら躊躇する抜き下手なのである。しかし低グリップで戦ったガレージCカップで、何度もオーバーテイクにチャレンジした経験は、僕のチャンス(と思う)の幅を広げてくれていた。まぁ、これでも人並み以下ですが。7周目に4位浮上、その3周後に3位に復帰した。

2012年CAカートレース最終戦 スーパーSS決勝ヒート

トップとはかなり差が広がってしまっていた。このままでも3位だ。そう思う気持ちはあった。でも遠くに見えるトップ争いは、かなり熾烈なものだった。何かあるかもしれない、何かあった時に拾える権利はあるか? 前は競り合いでタイムペースが落ちている。権利を求め、安全策に出るのを思い留まった。トップ争いは競り合いながらでも、かなりのペース。少しずつしか差は縮まらない。結果ゴールまで何もなかったが、この間の経験はとても貴重なものだった。

さぁ3位だ! 初表彰台だ! あのサーキット秋ヶ瀬のスーパーSSで表彰台だ!! もちろん、トップランナーの1人がクラッシュで消え、1人は欠場し、多分に棚ぼた要素はある。僕の今年の目標は、この棚ぼたを拾える位置に居ることだった。開幕戦でそれが達成でき、自分でも驚いている。レベルの高い(濃い?)このクラスでは、棚ぼたにも価値がある。僕はそう思っている。

2012年CAカートレース最終戦 スーパーSS表彰式

表彰台に登って、一番低い段でも「高いなぁ~」と思った。こんなチャンスは二度とないかもしれない。そうならないように、頑張ろうと思った。

総括

レースにタラレバは禁物だが、想像することがある。スタートに失敗しなければ…、前が競り合っているわけで、どこまで付いていけたのだろうか。そう想定すると、課題が見えてくる。こんなチャンスはなかなかないだろうが、ひたすら練習あるのみだなと思う。

最後に、いろいろな経験の場を与えてくれるガレージCおよび伊勢田師匠、いつも適切なアドバイスをくれる岡田さん、娘を可愛がってくれるヒガシ君、ジャンさん(笑)、いつも本当にありがとうございます。そしてサーキット秋ヶ瀬スタッフの皆さん、本当に感謝しております。そしてそして同じカーターの皆さん、今後ともよろしくお願いします。

本当に最後、高橋先輩にタイムで負けたことが悔しい…。