先週末の4月15日(日)、『CAカートレース』第2戦、スーパーSSクラス出場に、サーキット秋ヶ瀬へ行ってきた。
なんとか休みが取れて、無事出場することができた。これほど嬉しいことはない。このところ1日先すら読めない毎日が続いていたのだが、運良くレース・ウイークの早目から出場できそうな雰囲気が漂っていた。そうなると現金なもので、天気が気になったり、妙にソワソワしたり。
そう、天候!! レースに向けた練習回数に縛りを設けた今年。もちろんレース前に固めて乗ることになるが、そうなると天候には逆らえない。3週前が雨だったので、ドライで走れたのは2週前と1週前。しかもそのうちの1回は、マシンの不調でセットどころではなかった。明らかな練習不足、そんななかのレース前日の雨。せめて準備くらいはと思っていた、様々な段取りがまったく行なえず、文字通りのぶっつけ本番になった。一方平日走行しているライバル勢の多くが、28秒2という驚愕のタイムを出していたという。これは僕のベストをコンマ2以上上回るタイムだ。とてもじゃないが、太刀打ちできるとは思っていなかった。
サーキット入り
コース脇や路面の繋ぎ目は水分が残っているものの、TT開始時点で完全ドライになることは容易に想像できた。ただ今回のレースにむけては、ちょっとばかり小細工を考えており、それはドライであれば良いという類のものではない。実行できるか否か微妙なところ、プランAかプランBか、ギリギリまで決断を遅らせるしかない。コンディションを占う上で参考になるのは同じSS仕様のYAMAHA-SSのタイム。事前に損益分岐点を設定し、それを上回れば、駆け込みで作業に入る。
タイムトライアル
YAMAHA-SSのタイムは、僕が設定した損益分岐点をコンマ1以上も上回るものだった。というわけでプランA決行。チームメイトの押し掛けの手伝いの合間に、せっせとセットを変更する。プラス「レース用エンジン」と4ヶ月以上ぶりの「ニュータイヤ」。これでコンマ2の壁を打破できるのか?
走り始めはまるで手応えがなく、少し不安になったが、ヒート中盤から自己ベストに近いタイムが出始めた。とはいえコンマ2の壁を破るほどのパンチはない。結局ベストをわずかに上回る28秒42というタイムでセッションを終えた。しかしインラップで電光掲示板を見て驚いた。13台中4番手だったのだ。好調だった開幕戦と並ぶ、自己ベストタイ。
予選ヒート
2番手からコンマ1以内に5台の団子状態。わずかな差でも、2列目からのスタートは美味しい。スタートは上手くいき、3番手で1コーナーに侵入。しかし、その更にインに飛び込んだ守谷選手に交わされ、続く3コーナーでも高田選手に飛び込まれ、5位に後退。自分の脇の甘さを呪う。このまま両選手は2-3番手まで浮上、僕の直前はISKW選手となる。雨練の効果か、暖かい気候のせいか、最大の弱点である序盤のペースの悪さは鳴り潜め、絶好調のISKW選手についていける。ひょっとしたら、この段階では僕の方が速いかも? そう思ったら、試さずに居られない。4周目の最終コーナーで飛び込み、オーバーテイク成功。競り合う守谷・高田両選手を追う。
早目の決断が功を奏し、それほど離されていない。開幕戦で残した宿題を回収するチャンス。気がつけば、28秒2で走行。「なんだ出るじゃん!!」 ほんの1メートル手前で繰り広げられる全国チャンプと全国ファステストの攻防は、前後左右に目まぐるしく展開し、とても目が付いて行かない。早過ぎる縄跳び。金縛りにあったまま、4番手でゴールした。
計量後、異口同音の叱咤を浴びる。その内容は今後に関わるので、わざわざブログには書かないが、とてもとても反省した。タイムは全体で2番手だった。
決勝ヒート
今度は予選の宿題を決勝で回収するしかない! しかし42歳の男は、同じ日だと同じミスを繰り返すのだ。3コーナーでISKW選手に飛び込まれ失速、矢島選手にも抜かれ、6番手に後退。宿題の権利を失い、再び脇の甘さを呪う。(次はないよ!!) 矢島選手も絶好調なのだが、僕もまた予選で絶好調の称号を得ている。負けるわけにはいかない。序盤のペースは僕の方が良く、積極的に仕掛けにかかった。しかしタイヤが温まってくると失速。どうにも重い路面に対応できていない。事前に対応策は聞いていたのだが、矢島選手の方が上手く順応している。ここで気持ちがキレかかったのだが、この経験を次に活かそうと集中し、走り方を工夫する。コンマ1ほどのタイムアップを果たしたが、矢島選手を捉える距離ではなかった。
レース終盤、ISKW選手と矢島選手の差が縮まり始めた。何かあるかもしれない。拾う権利はあるか? 矢島選手がISKW選手の真後ろに付く。ペースが落る。僕は差を詰める。最終ラップの最終コーナー、矢島選手がISKW選手に仕掛ける。僕は権利のある距離ではなかった。「間に合わなかった…」と思ったのも束の間、両者が接触からスピン・オフ。すり抜けた僕は、4位でゴールした。
棚ボタ、そしてミスを帳消しにする4位。でも4位は4位、入賞は入賞だ! ライバル勢が出遅れるなか、更に10ポイント加算できたのは大きい。
総括
今回のレース、反省点は一杯ある。具体的なことは書かないが、そろそろネガティブ思考を封印しても良い頃合いだと思うことにした。良いイメージを持つのが今後の課題だ。その練習というわけではないが、実は僕が密かに目標にし、達成できたことがある。昨年の最終戦から3戦連続入賞したことだ。「偶然は3度も起こらない」 犯罪系の格言だが、好きな言葉でもある。
そして決勝のペースの悪さ、裏を返せば予選までは良いのだ。もともと「タイトラだけ」と言われていたところを、予選まで好調を維持できるようになった。あと一息のところまで来ている。
あ、もちろん反省すべきところは反省します…。もっともっと経験を積まなければ。僕の知らない境界線は一杯ある。
最後に手厚いサポートをしてくれたガレージCの伊勢田師匠、岡田コーチ、ヒガシ君、本当にありがとうございます。また応援に駆けつけ、適切なアドバイスをくれたFCJドライバー・三笠雄一選手、本当にありがとう。そしてサーキット秋ヶ瀬のスタッフの方々、ライバルの皆さん、次戦もよろしくお願い致します。